視聴者「イチオシ」の番組はこれだ!──シラス「ゲンロン完全中継チャンネル」イチオシ番組ランキング

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webゲンロン 2023年2月16日配信
 ゲンロンが中心となり運営する放送プラットフォーム「シラス」。そのシラスに最近追加された「イチオシ」機能をご存じでしょうか。シラスのマイページ画面から自分が「イチオシ」する番組を登録し、そこに任意のコメントをつけることができる機能です。

 
 ゲンロンスタッフ・noguchi-k のマイページ

 

 このたび 「web ゲンロン」では、「ゲンロン完全中継チャンネル」の番組のなかから、視聴者にイチオシ登録されている番組とそのコメントを集計しました。そのうちの登録数TOP10を、コメントとともに紹介いたします。たんなる購入数とは違う、多くの人に「イチオシ」される番組とはどういうものなのでしょうか。どうぞご覧ください。

※一部、公開を終了した番組も含みます。


 
【第10位】
古谷経衡×辻田真佐憲×東浩紀「夢としての『大東亜戦争』──80年代生まれが架空戦記を軸に語る開戦後80年」
 


 コロナ禍で現地観覧を停止していたゲンロンカフェ。観覧再開後初のイベントが第10位にランクインしました。評論家の古谷経衡さん、近現代史研究者の辻田真佐憲さんに東浩紀を加えた鼎談です。ややもすると政治的な対立に巻き込まれかねない「架空戦記」がテーマでしたが、「決して、右翼的な妄想に基づいた夢物語の礼賛ではなく、その中にある戦争というものの悲しさや儚さを左右両側から聞き出すというたいへんアクロバティックな構成は奇跡的といえる。」とのコメントをいただきました。



 
【第9位】
さやわか×東浩紀「いまこそ振り返るゼロ年代──安倍的なものと2ちゃんねる的なものの行方」
 


 意外にも初対談だったという、物語評論家のさやわかさんと東とのイベントが第9位。「あの夏……」や、「懐かしい話の更にその裏側まで話が広がる」などゼロ年代を懐かしむ声を多数いただきました。そのうえで「今に繋がる話がメイン」ともいただいているように、ゼロ年代を経た「いま」を議論する対談です。



 
【第9位】
荒俣宏×鹿島茂×東浩紀「博物学の知とコレクションの魅惑──古書、物語、そして『帝都』」
 


 作家の荒俣宏さん、仏文学者の鹿島茂さんをお迎えしたイベントが同率9位でランクイン。「荒俣さんと鹿島さんの魅力がバクハツした回でした!」、「荒俣さん、鹿島さんの知的欲求に圧倒されました」とのコメント。荒俣さんと鹿島さんの圧倒的な知性と、チャーミングなやりとりを楽しめる回です。なお、本鼎談は活字化され、3月発売の『ゲンロン14』に収録予定です。


 
【第7位】
五十嵐太郎×山梨知彦×東浩紀 「いまこそ語ろう、ザハ・ハディド」
 


 2020年東京五輪の新国立競技場建設問題で、大きなセンセーションを巻き起こしたザハ・ハディド。当時、彼女とともに設計に携わっていた日建建設チーフデザインオフィサーの山梨知彦さんと、建築史家の五十嵐太郎さんをお迎えして「ザハ案」を語り尽くしたイベントが第7位にランクインしました。「シラスの大きな可能性を知らしめた回です」「シラスで見た配信の中でトップクラスに衝撃を受けた配信でした」とコメントにあるように、内容への衝撃に加え、メディアとしてのシラスの可能性にも言及をいただきました。



 
【第6位】
東浩紀講義#1 ルソー『新エロイーズ』あらすじ早わかり&深読み講義
 


 ジャン=ジャック・ルソーの小説『新エロイーズ』を東が解説する番組が第6位に。「ひとつの作品をかくも魅力的に語り、視聴者を熱狂させる東浩紀さん、圧巻のプレゼン」「合間合間の要約が抜群に上手く(東さんの真骨頂)、登場人物のキャラを抜群に引き立てる」など、その講義にたいへんな好評をいただきました。スライドとともに、東の朗読と要約でありありと立ち上がる『新エロイーズ』の世界は必見です。



 
【第5位】
小川さやか×東浩紀 司会=福冨渉「生存と不確実性の経済──スケールしないお金の話」
 


 第5位は人類学者・小川さやかさんの初登壇回。「小川さんの魅力爆発の回」「小川さんがとにかくぶっ飛んでいてよい」「とりあえず小川さんが最強なのが解った」と並ぶように、小川さんのチャーミングな語り口から繰り出されるアナーキーなエピソードの数々に、だれもが衝撃を受けました。なかでも小川さんと東による、人類学と哲学をまたいだ贈与をめぐる対話は刺激的です。



 
【第4位】
中島隆博×東浩紀「中国において正しさとはなにか──『中国哲学史』刊行記念」
 


 中国哲学がご専門の中島隆博さんと東の対談が第4位にランクイン。「中島先生の語る中国哲学の奥深さと、東さんの哲学との化学反応が最高」「中国哲学から様々な示唆を得た神回」などのコメントをいただきました。いっけん多くの人に馴染みのない中国哲学がテーマでしたが、イベント中に中島さんが「(東からの問いかけが)自分という鐘をうまく叩いてくれ、自分でも聞いたことのない音が出ている気がする」とおっしゃっているように、東の問いとそれに応答する中島さんとの対話によって、中国哲学がぐいぐいと私たちの身近に迫ってきます。

 


さて、いよいよベスト3です。


 
【第3位】
鹿島茂×東浩紀「無料の誕生と19世紀パリの魅力」【『ゲンロン12』刊行記念】
 


 第3位は鹿島さんの初登壇回。タイトルの通り、鹿島さんによって「19世紀パリの魅力」が炸裂します。「鹿島さんの知識量の凄まじさに圧倒されっぱなしになる神回です!」「圧倒的な知識量、ユーモアある語り。背筋が伸びる思い」「まさに博覧強記。次から次へと面白いネタが怒涛のように飛び出すトーク。圧倒されます」とのコメントを多数いただきました。コメントのとおり、「圧倒的」の一言です。


 
【第2位】
安達真×桂大介×東浩紀 「シラスはウェブのなにをやりなおすのか──エンジニアが語る開発の舞台裏2」
 


 シラスの開発を担う株式会社グルコース代表取締役・安達真さんと、シラスCTO・桂大介さんをお迎えしたイベントが第2位に。インターネットの歴史を振り返りながら、東いわく「どこかで道を間違えた」Web の「あり得た未来」としてシラスを位置付けます。視聴者からも「脊髄反射的なウェブ業界について、こうして真摯に語れるところに、ウェブの未来を感じました」「理念をどう実装するか。思想、歴史、技術のせめぎ合い的なやり取りにしびれました」とのコメント。シラスがなぜいまのかたちをとっているのかが分かります。


 
【第1位】
浦沢直樹×さやわか×東浩紀「戦後日本とマンガ的想像力──万博、五輪、テロ」
 


 そして第1位は、漫画家の浦沢直樹さん、さやわかさん、東の鼎談でした! 「ただひたすら、浦沢直樹という人間がかっこいい。どこまでも、浦沢直樹という漫画家が天才だ。ただそれだけ」「とてつもない密度」「まごうことなき神回。浦沢直樹さんのトークの引き出しの多さに脱帽」「神。入信」と、いっけんすると怪しいコメントもたくさんいただきました。ただその意味も動画を見ればわかるはず。マンガの制作秘話から弾き語りまで、とにかく表現者としての浦沢さんの魅力あふれる回です。



 
 以上、視聴者イチオシ番組のTOP10でした。こうしてみると、イチオシされた番組のあまりの多様さに驚かされます。番組の形式としてはソロ講義から、対談、鼎談まで、内容はタンザニアからパリ、中国哲学からWeb 3まで、もうとにかくさまざまです。そんななかで、ひとつ共通点を挙げるならば、やはり「長時間」でしょうか。登壇者と視聴者によって時間をかけてつくり上げられた空気感、それがコメントにあるような「神回」、「神感」といった感覚に変わって、みなさまの記憶に留まっているように感じました。

 ゲンロン・シラスではこれからも長く語り継がれるようなイベントを企画して参ります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。最後に、マイページ機能をぜひ使ってください!(江上拓)
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