坂本龍一さんを悼んで|東浩紀

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webゲンロン 2023年4月5日配信

 

 坂本龍一氏が亡くなりました。心より哀悼の意を表します。

 

 坂本さんには生前、ゲンロンカフェにいちどだけお立ち寄りいただいたことがあります。2017年3月25日に、浅田彰さんの還暦祝賀会を行ったときです。そのおりの記念写真を、浅田さんの許可を得て公開します。
 左から、坂本さん、ぼく(東浩紀)、浅田さん、建築家の磯崎新さん、仏文学者の渡邊守章さんです。渡邊さんは2021年4月に、磯崎さんも昨年末に亡くなってしまい、5人のうち2人だけしかいなくなってしまいました。今年は大江健三郎さんも亡くなりました。時の残酷さを感じます。  ぼくは坂本さんとはほとんど面識がありませんでしたが、音楽はしばしば聴いていました。ぼくが中学に上がったときすでにYMOは「散開」していて、最初に聴いたアルバムは『アフター・サーヴィス』でした。これはぼくが初めて聴いたテクノミュージックで、そしていままでもっとも繰り返し聴いたアルバムのひとつだと思います。1993年にYMOが「再生」したときは、東京ドームのライブにも行きました。

 

 あらためまして、ご冥福をお祈りいたします。安らかにお眠りください。

 

撮影=加藤甫

東浩紀

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』、『訂正する力』など。
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