ゲンロンβ51|編集長=東浩紀

2020年7月17日[金]発行

  • 1|東浩紀 観光客の哲学の余白に 第21回 郵便的不安と生権力 #37
    東浩紀のデビュー作である「ソルジェニーツィン試論」。そこで書かれた確率的にのみ決まる死への不安について、フーコーの「生権力」から改めて考えます。「かもしれない」という言葉の持つ二面性、蓋然性と確率のちがいとは。
  • 2|高木ケイ SFつながり 第5回 Rien. #37
    ゲンロンゆかりのSF関係者が寄稿するリレーエッセイ「SFつながり」。今回は第1回ゲンロンSF新人賞を受賞し、日本SF第7世代として活躍中の高木ケイさんが登場。私小説風のユーモラスなエッセイです。
  • 3|小松理虔 当事者から共事者へ 第6回 共事と哲学 #37
    いままでの連載を振り返り「共事」の意味を省みた小松さん。國分功一郎さんの『中動態の世界』や東浩紀の『テーマパーク化する地球』の哲学から、「共事」への思考をさらに進めます。
  • 4|星野博美 世界は五反田から始まった 第19回 武蔵小山の悲哀 #37
    五反田の記憶をめぐる星野さんの連載。今回は荏原中延や戸越銀座の商店街の模様と、「東洋一」と呼ばれた長いアーケードの商店街をもつ武蔵小山の移り変わりがテーマ。タワーマンションができることにより、町が寂れる逆説を描きます。
  • 5|梅津庸一 展評――尖端から末端をめぐって 第10回 コロナ禍と「常設展」 #37
    パープルームの梅津庸一さんによる連載展評。今回はパープルームギャラリーで開催された「常設展」「常設展Ⅱ」について、地元相模原のお寿司屋さんとの交流の模様を絡めながら語っています。
  • 6|藤城嘘 五反田アトリエから38 #37
    藤城嘘企画『カオス*ラウンジXI キャラクターオルガナイズ』の展示のレポートです。クリエイターだけでなくアマチュアも参加してつくりあげられたお祭りのような展示のようすを紹介しています。

表紙写真:安藤裕美《誰もいなくなった相模原のジョナサン》(2020年、キャンバスに油彩、605×727mm)。パープルーム「常設展」で展示された(本誌連載参照)。パープルームのメンバーの作業場として機能していた深夜のファミレスから、コロナ禍により人が消えた様子を描く。その後、同系列店の深夜営業は「新しい生活様式」に伴い廃止されることになった。

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