ゲンロンβ58|編集長=東浩紀

2021年2月19日[金]発行

  • 1|斎藤環 聞き手=吉川浩満「『ひとと会いたい』は暴力か──道徳律化するウイルス対策」 #37
    「コロナ・ピューリタリズム」についてのnoteの投稿が話題になった精神科医の斎藤環さんに、コロナ禍での社会の変化を伺いました。聞き手は吉川浩満さん。「ひとと会う」ことの臨場性が失われた自粛生活は、ひとの内面をどう変えたのか。その功罪を問います。
  • 2|「ひろがりアジア」第4回 山田紀彦「義務感に支えられた成功──独裁国家ラオスの徹底した新型コロナウイルス対策」 #37
    東南アジアの大陸部に位置する、一党独裁国家ラオス。新型コロナウイルス対策のため、政府は徹底したロックダウンを実施しました。強硬策がもたらす大きな経済的ダメージにもかかわらず、国民たちが積極的に従った理由とは。意志と権力をめぐるレポートです。
  • 3|田中功起「日付のあるノート、もしくは日記のようなもの」第5回 頭のなかの闇(その1)──1月21日から2月15日 #37
    「患者」というカテゴリーを問いなおす思想「ペイシャンティズム」から、当事者性と美術の関係を考える田中さん。かつてMRI検査で判明した、自身の脳が抱えていた「病気」とは? その驚きの経験を語った、具体と抽象を往還するエッセイです。
  • 4|本田晃子「革命と住宅」第2回 ドム・コムーナ──社会主義的住まいの実験(後篇) #37
    社会主義の理想を実現し、新しい人間と様式を生み出すべく建てられたソ連の住宅を論じる本田さんの連載。人々の生活様式を変えるために、建築はどう変化したのか。住居レベルの実験から大きな都市構想へと向かった、社会主義住宅の変遷を描きます。
  • 5|星野博美「世界は五反田から始まった」第26回 焼け野原(3) #37
    1945年3月10日の東京大空襲の後に五反田界隈を襲った5月の空襲。その証言集から、人々が東京大空襲の経験を活かし、生き延びる術を見出していたことがわかりました。その極意は「とにかく逃げる」こと? 戦時の声をいまに伝える人気連載です。

表紙写真:ラオス南部のチャンパーサック県パクセー市近郊にあるプーサラオ寺院の「黄金の大仏(ゴールデンブッダ)」。山腹にあるプーサラオ寺院は近隣住民の信仰を集めるとともに、メコン川とパクセーの街を一望できるため、観光名所にもなっている。2018年4月9日。撮影=山田紀彦

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