ゲンロンβ61|編集長=東浩紀

2021年5月21日[金]発行

  • 1|星野博美 世界は五反田から始まった 第29回(最終回) 星野製作所の最期 #37
    2021年3月、星野製作所は94年の歴史に幕を下ろしました。創業者である祖父が晩年に手記を残した真意。それを受け継いだ父の心情。それぞれの思いに寄り添う最終回です。
  • 2|河野至恩 【新連載】記憶とバーチャルのベルリン 第1回 移動できない時代の「散歩の文学」――多和田葉子『百年の散歩』を読む #37
    比較文学者の河野至恩さんがドイツ・ベルリンをたどる新連載エッセイです。初回は、ベルリンが舞台の多和田葉子の小説『百年の散歩』を取り上げて、移動が制限された時代の「散歩の文学」を考えます。
  • 3|さやわか 【特別掲載】ひら☆マン戦記 #37
    2017年スタート、現在第4期が開講中の「ゲンロン ひらめき☆マンガ教室」。主任講師のさやわかさんが、波乱万丈のその歩みと、「ひら☆マン」に込めた強い思いを赤裸々に綴ります。
  • 4|矢野利裕 【特別掲載】言葉のままならなさに向き合う 一義性の時代の文学にむけて(前篇) #37
    批評家でもあり教員でもある矢野利裕さんの論考を特別掲載。表面的な意味だけで言葉を判断する「一義性」の時代に、言葉の複雑さ=「多義性」を擁護するのではない文学のあり方を模索します。
  • 5|本田晃子 革命と住宅 第4回 第2章 コムナルカ――社会主義住宅のリアル(中) #37
    ソ連が人々の邸宅を接収・国有化した集合住宅コムナルカ。独自のルールと住人の相互監視に支配されるコムナルカの「日常」のようすを、当時の戯曲のなかに追います。
  • 6|小松理虔 当事者から共事者へ 第11回 観光と共事 #37
    熊本県水俣市を訪れた小松さん。そこで、水俣と小名浜のあいだの奇妙な符合を発見します。訪れた場所で、自分自身を語るための言葉を見つけ出す「観光の共事性」とは。

表紙写真:「世界は五反田から始まった」は今号で最終回。五反田駅東口のロータリーでは、毎年夏のひまわりが風物詩となっている。写真は2018年夏に撮影されたもの。向かいに見えるHOTEL LUXE周辺は、小林多喜二『党生活者』で舞台のモデルとなった藤倉工業の工場跡地にあたる。プロレタリア文学と五反田の関わりについては、連載第12回から17回に詳しい。<br/> 撮影=星野博美</p>

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