ゲンロンβ73|編集長=東浩紀

2022年5月30日[月]発行

  • 1|能勢陽子 歴史のループから抜け出せるか──「ホー・ツーニェン 百鬼夜行」展後記 #37
    「ホー・ツーニェン 百鬼夜行」展を振り返ります。作品のなかに「妖怪」として浮かび上がっていたのは、第二次世界大戦や近代日本をめぐる複雑な歴史、柳田國男や京都学派の思想、そしてスパイたちの物語でした。
  • 2|小川さやか+東浩紀 司会=福冨渉 贈与と失敗がつくる社会──文化人類学と哲学の対話(後篇) #37
    人類学者・小川さやかさんを迎えた白熱のゲンロンカフェイベントが記事に! 後篇では、「人生の保険」という路上商人たちの言葉から、親子や環境、政治まで、「贈与」や「連帯」のありかたを論じます。
  • 3|松山洋平 イスラームななめ読み 第7回 田舎者のサイバー・ジハード #37
    留学先のシリアで知り合った青年に頼まれたのは、ジハーディストのPR動画を見せてほしいということでした。サイバースペース上で展開されるイスラムの解釈や「過激思想」に触れる人びとのすがたを捉えます。
  • 4|さやわか 愛について──符合の現代文化論 第13回 スパイダーマンにとって責任とは何か #37
    21世紀の『スパイダーマン』映画の集大成、『ノー・ウェイ・ホーム』。作中で主人公ピーターに求められる「責任」に、さやわかさんは、新たな時代に人びとが抱くべき「愛」の形を見いだします。
  • 5|小松理虔 当事者から共事者へ 第18回 共事と取材 #37
    取材者と当事者の距離が近づいていくなかで、「共事」的な取材はいかに可能なのか。体験することから取材を組み立てる、地元メディア「igoku」の実例をつうじて考えます。

表紙写真:夏の夕暮れ時のJR川前駅。磐越東線が走る駅だが、いわき市の中山間地域に位置し、もっとも高齢化の進む地区だ。いわき市のメディア「いごく」は、この限界集落をたびたび取材してきた。 撮影・キャプション=小松理虔

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