ゲンロンβ76+77|編集長=東浩紀

2022年9月12日[月]発行

  • 1|養老孟司+茂木健一郎+東浩紀 【特別掲載】「あるものはある」──養老孟司が語る脳と戦争と日本の未来 #37
    満員御礼となった伝説のイベントを活字化! 盧溝橋事件の年に生まれた養老さんと、戦前・戦後の日本社会について語り尽くします。脳やゾウムシから、ウクライナ侵攻、人文知と世間、日本の未来まで。
  • 2|東浩紀 【特別掲載】『観光客の哲学』英語版序文 #37
    東浩紀が『観光客の哲学』英語版のために書き下ろした序文を特別掲載。日本国外ではジジェク的なポストモダンの思想家だと思われているという東が、英語圏の読者にむけてこの10年の格闘やゲンロンの経営、そして「観光客の哲学」の可能性について語ります。
  • 3|小松理虔 当事者から共事者へ 第19回 カツオと共事 #37
    いわきでは夏といえばカツオの揚げ浸しだという小松さん。しかしこの料理はお店では食べられないのだとか。うまいものを食べることから地域社会を考える、垂涎必至のエッセイです。
  • 4|田中功起 日付のあるノート、もしくは日記のようなもの 第14回 紛失したスーツケース、物質的変化、キッズスペース──7月16日から9月5日 #37
    人新世がテーマのアートイベントのため、ベルリンに招待された田中さんが、映像制作の意味について再考します。また、その際に訪れたドクメンタ15のレポートも。なんとメイン会場がキッズスペースになっていたというのですが……。
  • 5|石田英敬 宇宙を狂気から救う哲学──ユク・ホイ『再帰性と偶然性』をめぐって #37
    石田さんがユク・ホイの全著作を紹介し、『中国における技術への問い』のあとに書かれた第三作『再帰性と偶然性』を読み解きます。いま読んでいただきたい、格好のユク・ホイ入門です。
  • 6|山森みか イスラエルの日常、ときどき非日常 第5回 兵役とジェンダー(1) #37
    男女ともに兵役があるイスラエル。山森さんは今回、娘の兵役とそこで彼女が参加したユダヤ教への改宗コースを取りあげます。そこから見えてくるのは、じつは勧誘にあまり熱心でないというユダヤ教のリアルでした。
  • 7|松山洋平 イスラームななめ読み 第8回 ニッポンのムスリムが自爆するとき #37
    自身ムスリムである松山さんが、日本でも起こるかもしれないテロとムスリム差別の問題を論じます。また、ムスリムのなかでもむずかしい立場にあるマイノリティたちに光を当てます。

表紙写真:写真は瀬戸内国際芸術祭2022に出展されている鴻池朋子の作品「リングワンデルング」の一部。高松沖に浮かぶ大島は島全体が国立ハンセン病療養所の敷地であり、かつては多くの患者が閉じ込められ差別に苦しんでいた。鴻池は島内の寂れた散歩道を復旧し、閉鎖空間からの脱出を演出する。鴻池の文章は来月刊行の『ゲンロン13』にも掲載されている。撮影=東浩紀

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