哲学は世界を変えることはできないが、ひとは救えるはずだ。
目 次
ゲンロン14
編集長|東浩紀

[座談会]荒俣宏+鹿島茂+東浩紀

コレクションはタイムトラベルだ
博物学的な知と「どっちつかず」の美学
コレクターが集めるのではなく、コレクションに「集めさせられる」。稀代の蒐集家ふたりを招き、1900年代パリのガールアートから『帝都物語』を経て福澤諭吉まで、縦横無尽に語り尽くす。

[論考]東浩紀

声と戦争
なぜベトナムの戦争証跡博物館の展示からは、被害者の声が欠落しているのか? ジャーナリズムの力学とそこからこぼれ落ちる人びとを描いた、「悪の愚かさについて」に連なる哲学的紀行文。

[新連載]ユク・ホイ

共生の言葉について
惑星的なものにかんする覚書 第1回 訳=伊勢康平
共生が叫ばれながら政治的収奪が進むこの世界で、袋小路から抜け出す手段はどこにあるのか。『中国における技術への問い』の著者が、「惑星的」な思考と言葉を探る新連載。

[ゲンロンの目]櫻木みわ|沖島・東京冬日記

斜めから見る戦争

[論考]上田洋子|ネットとストリートの戦争と平和ロシアの反戦アクティヴィズムについて

ビラをまき、落書きし、皮肉と平和を込めたポスターを貼りめぐらし、それを撮影し拡散する。プラットフォームの撤退と検閲の下で、反戦を広めるアクティヴィストたちの実践を綴る。

[論考]松下隆志|ロシアをレペゼンするのは誰かプーチン時代の政治とラップ

ロシア語ラップと政治の関わりを論じる注目論考。親プーチンと反プーチンで真っ二つに分かれたロシアのヒップホップシーンの「リアル」を紹介。楽曲リスト付き。

[論考]櫻間瑞希|国境を越えた結束と分断の狭間でタタール世界から見るロシア

ロシアの中にある民族共和国、タタールスタン。国境を越えて広がるタタール人の連帯に、ウクライナ侵攻が与えた影響とは。「webゲンロン」で話題の論考を大幅加筆。

[ゲンロンの目]辻田真佐憲|記念碑めぐりのすゝめ

[座談会]浦沢直樹+さやわか+東浩紀

「さあ、描けよ」
ロック、マンガ、テーマパーク
漫画家、浦沢直樹の作品はなぜ時代と共振してしまうのか。自身の原点から、漫画というジャンルを繋ぐことの意味、そして「テーマパーク」の想像力まで。作家論を超えて、徹底的に語りつくす。

[連載]梅津庸一|陶芸と現代美術 『窯業と芸術』を開催するに至るまで

尖端から末端をめぐって 第11回
現代美術への失望から信楽へと逃避した筆者は、工業と手仕事のあいだにある新たな「芸術」と出会う。自身の思索と制作を綴りつつ、美術業界の矛盾を抉り出すエッセイ。

[連載]田中功起|言葉、夜の散歩、墓の制作、そしてアートのはじまり

10月1日から1月3日 日記のようなもの、もしくは日付のあるノート 第15回
言葉を学んでいく娘、ベルリンでのプロジェクト、アートと政治で揺れるドクメンタ、父の墓のリフォーム――日々の出来事から、アーティストとして年齢を重ねることの意味を考える。

[連載]小松理虔|水俣のチッソと小名浜のスイソ

当事者から共事者へ 第11回 ※再掲載
水俣を訪れた筆者は、地元小名浜との奇妙な符号に気づく。海と食、巨大化学工場、汚染土。「共事者」のアイデアを生んだ人気連載から、傑作回を再掲載。

[ゲンロンの目]豊田有|ベニガオザルの社会から考える「平和」※再掲載

[コラム]
山森みか|イスラエルの日常、ときどき非日常 #7 兵役とジェンダー(2)
松山洋平|イスラームななめ読み ♯11 「共生のイスラーム法学」とは何か
ネコデウス14
寄稿者一覧
支援者一覧
編集後記
English Contents and Abstracts
先行公開記事

コレクションはタイムトラベルだ──博物学的な知と「どっちつかず」の美学|荒俣宏+鹿島茂+東浩紀

読者アンケートはこちら