ゲンロンサマリーズ(4)『一般意志2.0』要約&レビュー|入江哲朗

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初出:2012年5月8日刊行『ゲンロンサマリーズ #1』
東浩紀『一般意志2.0──ルソー、フロイト、グーグル』、講談社、2011年11月
レビュアー:入江哲朗
 
 
 
要約
一般意志2.0とはなにか? ● この本で語られるのは、近代社会が長いあいだ忘れつづけてきた夢、「未来社会についての夢」だ。 ● ルソーの「一般意志」という謎めいた概念は、現在の情報技術の知見を使えば具体的にイメージできる。 ● ルソーはコミュニケーションが苦手なオタクだったから、熟議なき数学的なモノとしての一般意志を描いた。 ● グーグル日本語入力は、ネット上の膨大な日本語を機械的に収集・解析して出来た点で、一般意志っぽい。 ● ルソーの一般意志の概念を、総記録社会の現実に照らしてアップデートしたものが「一般意志2.0」だ!

入江哲朗

1988年生まれ。アメリカ思想史、映画批評。東京大学大学院博士後期課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員PD。著書に『火星の旅人――パーシヴァル・ローエルと世紀転換期アメリカ思想史』(青土社、2020年)、『オーバー・ザ・シネマ 映画「超」討議』(共著、石岡良治+三浦哲哉編、フィルムアート社、2018年)など、訳書にブルース・ククリック著『アメリカ哲学史――一七二〇年から二〇〇〇年まで』(大厩諒+入江哲朗+岩下弘史+岸本智典訳、勁草書房、2020年)など。
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