【展覧会情報】堀浩哉展「触れながら開いて」(2月24日より市ヶ谷 ミヅマアートギャラリーにて開催)

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ゲンロンα 2021年2月18日 配信
アーティスト・堀浩哉さんの新作絵画展「触れながら開いて」が、2021年2月24⽇〜3⽉27⽇の期間、市ヶ谷 ミヅマアートギャラリーにて開催されます。
堀さんは現在、ゲンロン新芸術校第6期の講師をつとめています。

堀浩哉さんの美術家としての活動は半世紀を超えました。
キャンバスや和紙に墨や岩絵具、クレヨン、アクリルなど様々な素材を用い、日本画、洋画というジャンルを超えて描いてきた堀さん。
今回は、かつて描いた作品の上に新たな下地の和紙を貼り、まったく違う絵画を描くという方法を一部の作品に行いました。堀浩哉さんの現在進行形の新作をぜひご覧ください。

また、神楽坂の√K Contemporaryにて、初期から近作によって構成される「堀浩哉 回顧展」(2月13日〜 3月6日)、及びインスタレーション「堀浩哉+堀えりぜ 記憶するためにーわたしはだれ?」(√K Contemporary地下「Space √K」、2月13日〜3月26日)が同時期に特別開催されます。堀さんの初期から新作までを包括する、これまでにない機会ですのでぜひ合わせてご高覧ください。

 

【アーティストステイトメント】


コロナ禍の自粛と自問の日々の中で、自分に残された時間の限りをも意識しつつ、作業場と倉庫を見渡し始めた。

 大量の「もの」たち。作品や作品未満のこの「もの」たちの末路は、結局は資本制下の「生産」システムからはみ出した不用なものとして捨てさられるしかないのか、という思いにかられながら。

 しかし改めてそのいくつかを、対峙するようにして見直していくと、そこで蘇ってきたのは「生産」された「もの」という物質性を超えて、ぼくが膨大な量の「線」を刻み続けてきた、その「時間」の「記憶」だった。

 例えば、こんな言葉を付して制作した300点を超えるドローイングのシリーズを見直している時にー
 「ドローイングの線は、身体の記憶だ。その線が、記憶が、どんどん分節化してくる。記憶の中の無数の傷のように、傷が線として刻まれる。(略)すでに総体としての世界は消されてしまった。ぼくらはその断念の内側で生きている。けれども、ぼく(ら)は世界への欲望を捨て去ることはできない。一気には観えない総体への欲望は、だから無限に分節化していく。分節化こそが、世界への、そして絵画への欲望の証のように」(2005年「水面に照らし返された世界(の傷)」シリーズ)

 その「傷」でもある「線」を刻む(ように描いた)際の、深層に強く残っている「触覚」そのものが、ありありと蘇ってきたのだ。そうだ、ぼくはここから来て、今なおここにいる。
 自粛という期間は、そんな自己確認の機会でもあった。

 この確かな「触覚」を手がかりに「線」と「触れ」ながら、しかし本格的な分断の時代の今だからこそ、「線」が分節化の先でもう一度、「繋がる」空間に向かおう。

堀浩哉

 
堀浩哉展「触れながら開いて」
会期:2021年2月24日(水)-3月27日(土)
※入場はオンラインによる事前予約制です。詳細は下記特設ページよりご確認ください。
※営業時間等につきましても、下記特設ページをご確認ください。
※会期は変更になる場合もございます。


会場:ミヅマアートギャラリー
東京都新宿区市谷田町 3-13 神楽ビル 2F
特設ページURL:https://mizuma-art.co.jp/exhibitions/2102_hori/
  【堀浩哉プロフィール】 1947年富山県生まれ。美術家。多摩美術大学名誉教授。1969年に「美共闘」(美術家共闘会議)を結成、議長を務める。2010年、東京・秋葉原のアーツ千代田3331内に多摩美術大学運営のオルタナティブ・スペース「アキバタマビ21」を開設し、プロデューサーを務める(2012年まで)。第41回ヴェネツィア・ビエンナーレ、「ユーロパリア・ジャパン’89」(ゲント現代美術館)、「今日の日本」(ルイジアナ近代美術館、デンマーク他巡回)、釜山国際アートフェスティバル、「センチュリー・シティー」(テート・モダン)、越後妻有アートトリエンナーレなど、国内外の展覧会に多数参加。近年の展覧会に「堀浩哉展─起源」(多摩美術大学美術館)、「ミニマル/ポストミニマル」(宇都宮美術館)、釜山ビエンナーレ、「1968年激動の時代の芸術」(千葉市美術館)、「ニューウエイブ現代美術の80年代」(国立国際美術館)、「堀浩哉+堀えりぜ 記憶するためにーわたしはだれ?」(丸木美術館)など。   【関連展覧会情報】 「堀浩哉+堀えりぜ 記憶するために―わたしはだれ?」 Space√K (新宿区南町6 √K Contemporary B1F) 2021年2月13日(土)-3月26日(金) 公式サイトはこちら: https://root-k.jp/exhibitions/kosai-hori_erize-hori_to-remember-who-am-i/ 「堀浩哉 回顧展」 √K Contemporary (新宿区南町6) 2021年2月13日(土)-3月6日(土) 公式サイトはこちら: https://root-k.jp/exhibitions/kosai-hori-retrospective/

プレスリリース

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