【展覧会情報】「ソリッド・ハイビーム」が3月3日(木)よりゲンロン五反田アトリエにて開催

ゲンロンα 2022年2月24日 配信
2022年3月3日(木)から3月13日(日)まで、展覧会「ソリッド・ハイビーム」がゲンロン五反田アトリエで開催されます。
参加者は、林香苗武さん、ペロンミさん、「ゲンロン新芸術校」第6期卒業生の出川慶亮さんとユササビさんです。

ぜひ足をお運びください。

 

【アーティストステイトメント】

 夜、車を運転していると対向車のハイビームに目が眩み、一瞬時間が止まったような、フラッシュで車のシルエットが脳に焼き付けられたように感じることがある。
 ハンドルを取られとても危険だ。と同時に、相手にはこちら側がよく見えている証でもある。

 ところで、展覧会で作品を見ている時に一瞬時間が止まったように感じたことはあるだろうか?
 突然時が止まり他のものが消え、自分とその作品の二人きりになったようなことが。
 私には時々ある。そして、そのような作品にはいくつかの特徴がある。
 それは、自らの間合いに侵入してこようとする強さがあること、こちらに近づいてくるような身の危険を感じることだ。
 作品が見られているにも関わらず、見ているこちらの明かしたくない物事が見透かされ晒されてしまうのではないか、もしくは作品(作家)はそのことを知ってしまっているのではないか?と。
 制作という行為は私的なことであるにも関わらず、作品が見られた瞬間に、他者にそれが自分のことであるかのような印象を与えることが稀にある。

 今回の展示の出展作家たちも、そのような作品を作る者たちだ。
 林香苗武は、鋭い人物描写と独特の線を用い、静かさと暴力性が共存している絵画作品を制作している。初期は速度をテーマとしていたが、近年は神話のような構成になり、威圧的な存在を画面に閉じ込めようとしているように見える。
 ペロンミは、複雑に重なる線で人物のようなものがいる空間を描き、霞がかった世界で突如重要な誰かに出会うような場面を想起させる。マンガ形式の作品も作っていて、刹那的なセリフをキャラクターが話していたり、車マンガの金字塔である頭文字Dを自分のテイストで描いたりしていて興味深い。
 出川慶亮は、自身の身体的な意識から制作をしており、痛みや苦悩を視覚を通してストレートに伝えることに成功している。過去作では、皮膚の痒みを絵画の画面を引っ掻くことで表現し、目に見えない身体世界の広がりを感じさせた。
 ユササビは、私的なテキストや他人とのやりとりの記録を構成し、誰かの生活を覗き見するような感覚を起こさせる作品を制作している。また、テキストや写真を印刷した素材をコラージュした絵画を作り、感情を冷静にコントロールしようとしているかのようだ。

 ハイビームを浴びた時に、視界が目に焼き付けられたように感じたと最初に述べた。今回の展示作品は絵画がメインだ。
 写真の手法の方が絵画より上述の感覚に近いと考えられるかもしれないが、絵画の方がイメージが伝わると私は思う。理由は言語化できない。

 当たり前だがハイビームは交通事故を防ぐためのものでもある。暗い中進む方向を遠くまで照らしてくれる。
 芸術も同じように、作品と見る者両方を照らし、危険でありながら接する者の身を守るものなのかもしれない。

(ユササビ)

 

【作家情報】
林香苗武
長野県出身。強弱のある線と陰影を用いてデフォルメされた人物を描く。現在は主にデジタルドローイングでの制作を行い、フィクションにおける闘いや内なる暴力に関心を持つ。

ペロンミ
宮城県出身。「毎日のお絵描き」のように日々目にするものや感じたものを描く。

出川慶亮
神奈川県出身。ゲンロン新芸術校6期卒業生。

ユササビ
徳島県出身。絵画、映像、インスタレーションなどを制作。最近は私的な物事をモチーフにすることが多い。ゲンロン新芸術校6期卒業生。

 

【開催概要】
「ソリッド・ハイビーム」


出展作家:林香苗武、ペロンミ、出川慶亮、ユササビ

会期:2022年3月3日(木)-3月13日(日) 
開場時間:14:00-20:00(火曜水曜休み)

会場:ゲンロン五反田アトリエ
東京都品川区東五反田3-17-4 糟谷ビル2F



主催:ユササビ
問い合わせ先:yusasabi@gmail.com

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