【展覧会情報】宮野かおり個展「ポリリズミックド・スイミング」3月2日(水)より墨田区のLIGHT HOUSE GALLERYにて開催

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ゲンロンα 2022年2月25日 配信
2022年3月2日(水)から3月13日(日)まで、株式会社ゲンロン主催のアートスクール「ゲンロン新芸術校」第6期の卒業生、宮野かおりさんによる個展「ポリリズミックド・スイミング」が開催されます。

宮野さんより本展にむけて、「新芸術校で取り組んできたことと繋げて、一年間頑張ってきたことの集大成をお見せできたらと思っております。」とコメントをいただいています。

会場は墨田区の「LIGHT HOUSE GALLERY」です。
ぜひお越しください。

 

【展示概要】

少女漫画の主人公たちと私は、お互いに形を保ちあったまま、混ざり合ってきた。
等身大の少女たちは、いつでも私の共感するところにいたし、時に見せる勇敢な姿には驚きや恐れも抱きつつ、常に憧れの存在であった。彼女たちのまねっこをして呪文を唱えては、完全に彼女たちになりきれないことを繰り返し再認識するのだ。


そういう意味で、彼女たちは私自身であり、同時に私自身ではない。
その矛盾がいつも私を混乱させ、現実を認めたくない私の乱高下する脳味噌を表したように、作品の画面には花びらやリボンや光の粒が飛び散っているのだろう。
それでも、私自身の肉体が成人するまでは、彼女たちと共に生きている〈シンクロしている〉実感があった。


少女絵の中の少女たちは、歳を取らない。
現実に生きて歳をとる私は、ずっと彼女たちの近くに寄っていたいと思っているのに、その距離は離れていくばかりだ。


私は彼女たちとの間を埋めるように、彼女たちの世界を肥大化させて絵を描く。私の身体性や作画時間は、絵画の大きさや複雑さに比例して大きくなる。私の体や時間をたくさん使って絵を描くと、彼女たちとの距離が縮まるような気がする。加えて、大きな画面の彼女たちは、私の体にまとわりついたり、包み込んだりするようになる。こうして私は彼女たちを受肉させようと足掻いている。


近頃では、こうした無理矢理の受肉方法が、彼女たちを自分の奴隷のように扱っているんじゃないかという疑念が生じている。そもそも彼女たちは私の中で、どのように世界をたゆたってきたんだろうか。(そもそも「肉」とどんなふうに戯れるんだろう?)


もう彼女たちとシンクロすることはできない今、別々のリズムを奏でながら、一緒に泳ぐ方法を探している。(宮野かおり)


宮野かおり 《ロマンチック♡キッス Ⅱ》
水彩紙、鉛筆、シャープペンシル、巻子
1,700×350mm 2022年
※画像は作品一部



 


宮野かおり個展 ポリリズミックド・スイミング


会期:2022年3月2日(水)-3月13日(日)
開場時間:12時-19時(最終日は17時まで)
※月・火は休廊


会場:LIGHT HOUSE GALLERY
〒130-0021 東京都墨田区緑2丁目15-15 1F
JR両国駅 東口より徒歩11分
都営大江戸線 両国駅 A5出口より徒歩6分


URL:http://lighthouse-tokyo.net/gallery_top.html
Twitter:@LIGHTHOUSE_tyo

  【経歴】 宮野かおり 1990年 東京都出身、埼玉県・福島県育ち 2012年 中央大学経済学部国際経済学科 卒業 2018年 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻 卒業 2020年 東京芸術大学美術研究科絵画専攻修士課程 修了(壁画第一研究室) 2021年 ゲンロン新芸術校第6期 修了 幼少期からりぼん・なかよし・ちゃおを読んで育つ。少女漫画をベースにした少女視点と現代美術の視点を混濁させることで、従来の少女表現の批評を再考・拡張しながら、「少女」と作家・鑑賞者の新たな関係性を探る。
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