『キャラクター絵画について』展が9/8(木)よりパープルームギャラリーにて開催!

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webゲンロン 2022年9月7日 配信
9/8(木)より『キャラクター絵画について』展が相模原のパープルームギャラリーで開催されます。

参加作家は「キャラクター」を題材に制作をする門眞妙さん、ペロンミさん、川獺すあさんです。 
会期は9/17(土)までです。ぜひご観覧ください。

 


ペロンミ
《Haven't we met?》2022年
410×318mm 紙、鉛筆、水性ペン、オイルパステル

 


門眞妙
《時間を止めてください》2020年
1000×1000mm 木枠に綿布、アクリル、ジェッソ

 


川獺すあ
《seek in mist》2021年
1455×1120mm キャンバス、油彩

 






【本展について】


「キャラクター絵画」というタームは美術の世界で常用されている言葉ではない。けれども「キャラクター絵画」はたんに「キャラクター」をモチーフとした絵画やドローイング全般を指す言葉・概念でないという認識はある程度は共有されているのではないか。もっとも、ちゃんとした定義づけがなされていない以上それはいくらでも訂正ないし修正可能な曖昧なカテゴリーと言える。
荒っぽい説明になってしまうが、90年代半ばに村上隆がマンガ、アニメなどのオタクカルチャーを現代アートに持ち込んで久しい。当初は現代アート陣営とオタク陣営の間で一触即発な状態と言っても過言ではないほど緊張が走っていたが、現在ではその対立自体が忘れ去られようとしている。今ではアート作品にキャラクターのアイコンが登場しても誰も驚かないばかりか、美術大学の卒業制作展でもちらほら見かける程度には市民権を得ている。いや、アートマーケットの拡大によりかつての「現代アート」の価値基準が瓦解した、あるいはオタク自体が変容したのか。


今、目にする多くの「キャラクター絵画」はある特定のマンガやアニメのキャラクターを使った二次創作ではない。かといってアートの領域に戦略的にキャラクターを召喚しているケースも稀である。キャラを使った絵画ないしドローイングを描く作家たちはSNSを駆使し一種のファンダムをつくり上げる。オフ会のように集い展覧会を開催することも珍しくない。この類いの作家たちの間で共有されている価値観や認識は外の観客に向けて開示されないことが多いので、観客は繊細なニュアンスや空気を読みながらこれらの作品を鑑賞し気分を共有するよう努める。また、最近の「キャラクター絵画」は描かれたキャラクターにおける記号性と身体性に加えて、主にSNSを介してつくられる作者自身のキャラクターの記号性と身体性も含めて読み解かなくてはならないケースも少なくない。


本展はそんな「キャラクター」を主題とした作家たちの営みの現在、近過去をリサーチし、狭義の意味での「キャラクター絵画」をアートマーケットの商材としてではなく美術批評の文脈の上でどのように位置付けることができるのかを探る試みである。


それは「美術」や「キャラ」を超えて「人」について考えることでもあるはずだ。


梅津庸一




 
【作家プロフィール】
門眞妙
1985年宮城県生まれ。2009年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。現在 宮城県仙台市在住。


ペロンミ
宮城県生まれ。


川獺すあ 
1999年山形県生まれ。現在埼玉県を拠点に活動。

 

『キャラクター絵画について』
会期|2022年9月8日(木) - 9月17日(土) (水曜日は休廊)
時間|15:00-20:00
場所|パープルームギャラリー
企画|パープルーム
協力|パープルーム予備校
URL|https://parplume-gallery.com/
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