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オタール・イオセリアーニ映画祭、2/17(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シアター・イメージフォーラムで開催決定!

webゲンロン 2023年2月15日 配信


カンヌ、ヴェネチア、ベルリンなど世界の映画祭で数々の賞を受賞
人生の達人、オタール・イオセリアーニ監督の作品をたどる


公開禁止を受けた幻の傑作から数々の賞を受賞した作品群、
そして円熟味を増した集大成の作品までデジタル・リマスター版で待望の一挙上映!

 

 

こちらの記事には、在日ジョージア特命全権大使・ティムラズ・レジャバ氏への、本映画祭を記念したインタビューを掲載しています。ぜひ最後までお読みください。

『月曜日に乾杯!』『皆さま、ごきげんよう』などを手掛けたジョージア出身の名匠オタール・イオセリアーニ監督の劇場初公開作品を含む21本が、「オタール・イオセリアーニ映画祭」として、デジタル・リマスター版にて一挙上映されます。

これら21作品は、2023年2月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シアター・イメージフォーラムの2館で公開され、その後順次全国ロードショー予定です。ぜひ劇場まで足をお運びください。

 

 『月曜日に乾杯!』

 

 『素敵な歌と舟はゆく』

 

 

【映画祭予告編】

 

【作品情報】

<長編>
『落葉』
『歌うつぐみがおりました』
『田園詩』
『月の寵児たち』*劇場初公開
『そして光ありき』*劇場初公開
『蝶採り』
『群盗、第七章』
『素敵な歌と舟はゆく』
『月曜日に乾杯!』
『ここに幸あり』
『汽車はふたたび故郷へ』
『皆さま、ごきげんよう』

<中編3本>
『四月』
『エウスカディ、1982年夏』*劇場初公開
『トスカーナの小さな修道院』*劇場初公開

<短編5本>
『水彩画』*劇場初公開
『珍しい花の歌』*劇場初公開
『鋳鉄』
『ジョージアの古い歌』
『ある映画作家の手紙 白黒映画のための
七つの断片』*劇場初公開

<3部作ドキュメンタリー>
『唯一、ゲオルギア』(3部作)*劇場初公開

公式サイト
https://www.bitters.co.jp/iosseliani2023/#modal

監督|オタール・イオセリアーニ
特別協力|ジョージア映画祭、 立教大学 現代心理学部 心理芸術人文学研究所
配給|ビターズ・エンド

 

 『月の寵児たち』

 

 『そして光ありき』

 

 

 

Otar Iosseliani オタール・イオセリアーニ

1934年2月2日、旧ソビエト連邦グルジア共和国(現ジョージア)のトビリシに生まれる。44年、トビリシ音楽院に入り、ピアノ、作曲、指揮を、53年から55年にかけてモスクワ大学で、数学、工学を学ぶ。その後、56年から61年まで、モスクワのソ連映画学院の監督科に在籍。卒業後は編集技師として働く。62年に中編『四月』を監督するが、「抽象的、形式主義的」という理由で、上映を禁止された。66年、長編第1作『落葉』を発表。公開禁止となるが、2年後の68年のカンヌ国際映画祭に出品。初めて西側で紹介され、国際批評家連盟賞とジョルジュ・サドゥール賞を受賞。イオセリアーニの名前は一躍世界に知られることとなる。
79年、活動の拠点をフランス・パリに移し、短編や中編ドキュメンタリーをいくつか制作した後、84年に長編第4作『月の寵児たち』を89年にはセネガルで撮影した長編第5作『そして光ありき』を発表。これら2作品はヴェネチア国際映画祭審査員大賞を受賞する。96年制作の『群盗、第七章』では、ヴェネチア国際映画祭審査員特別大賞を三度受賞する快挙を遂げる。06年、『ここに幸あり』を、10年、『汽車はふたたび故郷へ』を、15年、集大成ともいえるシニカルな人間賛歌『皆さま、ごきげんよう』を発表。

 

 『唯一、ゲオルギア』

 

 『汽車はふたたび故郷へ』

 

以下に映画祭の開催を記念して行われた、在日ジョージア特命全権大使・ティムラズ・レジャバ氏のインタビューを掲載いたします。

―ジョージアとは一言でいうとどんな国ですか?

「あつい国」です。まず、ジョージア人には情熱的な熱さがあります。
また、歴史も厚い国です。そしておもてなしも「厚い」国です。

―今回日本で劇場初公開となるイオセリアーニ監督のドキュメンタリー大作『唯一、ゲオルギア』をご鑑賞いただき、率直なご感想をお教えください。

イオセリアーニ監督に対する印象がさらに強くなりました。これまで芸術作品ばかり撮ってきた監督が撮影したからこそ、訴えるものがあり、“彼がジョージアを大切にしている“、そういう姿勢を確認することができたという意味で、監督を知るうえで大変重要な作品だと思います。
加えて、自分がジョージアという国にどう向き合うかという意味でも、大変勉強になりましたね。

―印象的なシーンはありましたか?

ジョージアの文化をひとつひとつ丁寧に描いていて、それも本当にジョージアのコアな部分を含めて説明した流れを受けて、歴史の説明に繋がっていく…。そういった描き方が印象的でした。

―『唯一、ゲオルギア』で、イオセリアーニ監督はジョージアを「騎士の国」と表現していました。

そういった一面もあります、歴史的に侵略や闘いの多い国だったので、自分の価値観を守る姿勢はジョージア人の特徴でもありますね。でもいつもそう、というわけではないです(笑)普段はおおらかで人道的でクリエイティブな人がおおいのではないでしょうか。

―イオセリアーニ監督は、ジョージアではどういった存在でしょうか?

知名度はありますが、実際に映画を観たことがある人は少ないと思います。フランスの映画監督というイメージが強いですね。僕は大ファンですよ。

―大使の1番好きなイオセリアーニ監督の作品は何ですか?

『歌うつぐみがおりました』です。
気が散漫だけど、気遣いができて、みんなに愛される主人公が登場します。実は、当時の自分と似ていたんですよね。取り組むべきことがわからなかった当時の自分と、主人公のギアがすごく似ているように思えて、共感しました。何度も観ていますが、素晴らしいエンディングです。

―ちなみにどちらで鑑賞されましたか?

日本で観ました、下高井戸シネマですかね。

―ちなみにラストはどう感じていますか?

それこそ僕が監督に一番聞きたい質問なんです、「この男はどうなるんだ!」って。当時は自分に思えて仕方なかったから、映画の中でもこういう人はどうなるのか、あなたはこういうひとだったのか、それが聞きたくて仕方がないんです!会ってみたいなあ。

―このタイミングで映画祭が行われることについて、どう思われますか?

非常にありがたいです。この数のイオセリアーニ監督の作品が上映されることはこれまでなかったでしょうし、イオセリアーニ監督の一ファンとして、たまらなく嬉しい出来事です。パリ時代の作品はなかなか観れていないので、この機会に観たいですね。

―最後に、この映画祭を楽しみにしている皆さんに向けて、ジョージア人としておすすめのポイントを教えてください。

私はイオセリアーニ監督の大ファンなんです!だから、ジョージア人としてというか、ファンとして、一緒にこの世界観を観て、楽しみたいです。

Teimuraz Lezhava ティムラズ・レジャバ
1988年、ジョージアの首都トビリシ生まれ。父親の日本留学・仕事の関係で92年に日本へ移り住み、2011年早稲田大学国際教養学部卒業後、12~15年キッコーマン株式会社へ入社。その後18年にジョージア外務省へ入省し、21年より在日ジョージア特命全権大使に。

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