ゲンロンSF文庫より、田場狩『秘伝隠岐七番歌合』、河野咲子『水溶性のダンス』発売!

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webゲンロン 2023年2月21日 配信
 ゲンロンの電子書籍レーベル「ゲンロンSF文庫」より、あらたに田場狩『秘伝隠岐七番歌合』(ゲンロンSF文庫007)、河野咲子『水溶性のダンス』(ゲンロンSF文庫008)の2作がリリースされました。両作は〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉にて第5回ゲンロンSF新人賞(選考委員:菅浩江、伊藤靖、大森望、東浩紀)に輝いた受賞作を、大幅な改稿のうえ電子書籍化したものです。『ゲンロン13』に掲載された大森望さんによる解題を収録しています。

『秘伝隠岐七番歌合』、『水溶性のダンス』(ともに税込385円)はゲンロンショップ、および Kindle ストアでご購入いただけます。
田場狩『秘伝隠岐七番歌合』(ゲンロンSF文庫007)
 
 



歌姿勝ると申すべきや。勝ちて侍れ。
──円城塔



劉慈欣の漢詩SF「詩雲」(『円 劉慈欣短篇集』所収)を踏まえたのかどうか、宇宙人が登場した甲斐のある壮大なスケールの中編として決着している。
──大森望(「解題」より)


時は1236年、突如隠岐島に転送された藤原定家。そこにいたのは、かつて承久の乱で敗れその地に流されていた後鳥羽上皇だった。定家が審判を命じられた歌合、その驚きのカードとは──。
エイリアンvs.後鳥羽上皇、ついに対決。

著者プロフィール
田場狩(たば・かり)
1982年生まれ。システムエンジニアとして都内企業に勤務。第5回「ゲンロンSF新人賞」受賞。
河野咲子『水溶性のダンス』(ゲンロンSF文庫008)
 
 



私が幻想文学に求めるほとんどが、ここに姿をあらわした。
懐かしい作り物の世界、虹色の踊り子、言葉と霧と雨。それら世界を語る文章の美しさ。
もっと読ませてください。
──菅浩江



たいへん美しい文章で硬質な世界を築き上げた幻想的な短編。
──大森望(「解題」より)


からくり仕掛けの骨格に、パルプ鉱でできた肉をまとった人びとが暮らす街。水に溶けやすいそのからだには、言葉が蓄積されてゆく。ある雨夜、からだの修復を行う「人体師」のわたしは、体内に「強い言葉」を持つ踊り子に出逢う──。

著者プロフィール
河野咲子(かわの・さきこ)
作家・文筆家。第5回「ゲンロンSF新人賞」受賞。受賞作 「水溶性のダンス」が『ゲンロン13』に掲載。その他、幻想怪奇小説、SF、短歌、テクスト批評、現代美術評などを執筆する。旅の批評誌『LOCUST』編集部員。Spotify にて第六期「ダールグレンラジオ」配信中。
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