初出:2012年12月14日刊行『ゲンロンサマリーズ #56』
原武史『団地の空間政治学』、NHKブックス、2012年9月

要約
● 旧ソ連や東欧の集合住宅では「政治」が「空間」を作り出したが、日本の団地では「空間」が「政治」を作り出した。
● アメリカ型のライフスタイルを形成した団地は、大澤真幸のいう「理想の時代」を体現している。
● しかし画一的な外見の団地は、アメリカよりも旧ソ連に近く、住民の意識も保守より革新寄りだった。
● 団地の根底にある思想を理解するには、「私生活主義」と「地域自治」の両方をみなければならない。
82年生。東京経済大学准教授。専攻は社会保障法。第1期ゲンロンファクトリー受講生。